パフォーマンス低下の原因は「可動域の偏り」かも?

〜動きのクセが“体の不調”を生む〜

「最近トレーニングの成果が出にくい」「同じ動きでも疲れやすくなった」
そんな感覚を覚えたことはありませんか?
もしかするとその原因は“筋力不足”ではなく、関節の可動域の偏りにあるかもしれません。

可動域とパフォーマンスの関係性

人間の体は、複数の関節が連動することでスムーズな動きを生み出しています。
しかし、どこか一部の関節が十分に動いていないと、他の部位で代償動作が起こり、パフォーマンスが低下しやすくなります。

可動域の偏りが起きやすい主な要因は以下の通りです。

  • 長時間同じ姿勢:特定の関節や筋肉だけに負担がかかり、動きが固定化される
  • 運動の偏り:同じ種目・フォームばかりで可動域が狭まる
  • 柔軟性の低下:筋肉や関節周囲の硬さで動きの制限が起きる

つまり、「筋力」だけを鍛えても、土台となる可動域が偏っていれば、本来の力を発揮できないのです。

可動域の偏りによる主な不調

可動域がアンバランスになると、体は無意識に“かばう動き”を覚えます。
その結果、以下のような不調や動作の制限が起こりやすくなります。

  • 股関節まわりの硬さによる腰痛
     例)スクワットや前屈で腰に負担が集中する、長時間立つと腰が重くなる
  • 肩甲骨の動き不足による肩のつまり感
     例)腕を上げるときに肩に引っかかる感覚、肩こり・頭痛
  • 足首の硬さによるフォームの崩れ
     例)ランニングやジャンプで膝に負担がかかる、着地が重くなる
  • 胸椎(背中)の硬さによる呼吸の浅さ
     例)息がしにくくなる、持久力の低下

こうした不調は「一部の関節がうまく動いていないサイン」です。

日常生活で可動域を狭める習慣

意識せず続けている生活習慣が、可動域の偏りをつくることもあります。

  • デスクワーク中心で座りっぱなし
  • 同じ筋トレ種目ばかりを繰り返す
  • スマホ操作や猫背姿勢が長時間続く
  • ストレッチやケアの習慣がない

こうした習慣が、動きの「クセ」を強めてしまう原因です。

パフォーマンス維持のための可動域ケア

筋トレやスポーツのパフォーマンスを上げるには、筋力トレーニングだけでなく 「関節が本来の動きを取り戻すこと」 が欠かせません。

日常生活で意識できるポイントは以下の通りです。

  • 1時間に1回は立ち上がり、股関節・肩・背骨を動かす
  • トレーニングの前後に動的・静的ストレッチを取り入れる
  • 動かしづらい関節を意識して動かす(得意な動きだけに偏らない)
  • 呼吸を深くして胸郭・背中をしなやかに保つ

動きを整えることで、筋肉や関節が連動し、本来のパフォーマンスを発揮しやすくなります。

整体で「動きのクセ」をリセット

すでに「フォームが安定しない」「疲労が抜けにくい」といった状態が続いている方は、整体で体のバランスを整えることも有効です。
トレーニングとの組み合わせで、より効率よく力を発揮できるようになるケースも多く見られます。

「もっと筋トレを頑張らなきゃ」と思っている方こそ、一度“動き”を見直すことが大切です。
可動域を整えることで、今ある筋力をしっかり引き出し、ケガの予防にもつながります。