冷えと姿勢の意外なつながり

~体が冷える本当の原因、見直すべきは「姿勢」かもしれません~

冷え性といえば、「血行不良」「運動不足」「自律神経の乱れ」などがよく知られていますが、実は「姿勢」が冷えと密接に関係していることをご存知でしょうか?

なぜ「姿勢」が冷えに影響するのか?

私たちの身体には、心臓から送り出された血液を全身に循環させる仕組みがあります。この血流が滞ることで、手足など末端部分の冷えを引き起こします。

ここで重要になるのが「姿勢」です。

特に以下のような姿勢は、冷えを招きやすくなります。

  • 猫背:胸郭(肋骨まわり)が圧迫され、呼吸が浅くなり、酸素の取り込み量が減ることで代謝が低下。
  • 反り腰:骨盤が前に倒れることによって腹部や腰部の筋肉が緊張し、内臓の働きや血流に悪影響を与える。
  • ストレートネック:首や肩まわりの筋肉が硬くなり、血管やリンパ管が圧迫されて巡りが悪くなる。

そして、こうした悪い姿勢は、ある重要な神経系にも影響を与えます。

自律神経と冷えの関係

冷えに深く関わっているのが「自律神経」です。これは、私たちの意志とは関係なく体の働きをコントロールしてくれている神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2つがあります。

  • 交感神経:緊張やストレス時に働き、血管を収縮させます
  • 副交感神経:リラックス時に働き、血管を拡張し、体を休ませます

正常な自律神経バランスでは、必要に応じて血管が拡がったり縮んだりして体温調節ができます。しかし、長時間の悪い姿勢や猫背などによって筋肉が硬直すると、自律神経の通り道である脊柱(背骨)のまわりにストレスがかかり、神経の働きが乱れやすくなります。

結果として血管が常に縮んだままになり、体の末端まで血液が行き届かなくなって冷えにつながるのです。

冷えを改善するには「姿勢の見直し」から

冷え対策というと、温かい飲み物やカイロなどで外から温める方法が一般的ですが、内側から「冷えにくい体」を作るには、姿勢の改善が重要です。

  • 椅子には浅く腰かけるのではなく、深く座って骨盤をしっかり立てる
  • 肩甲骨を軽く引き寄せて胸を開く
  • 深く、ゆっくりとした呼吸を意識する

といった簡単な意識づけでも、自律神経の働きを整え、血流を促すことができます。

まとめ

いくら温めても、冷えが改善しない…という方は、姿勢や呼吸、そして自律神経のバランスに注目してみてください。

日々の体の使い方を見直すことで、巡りの良い、冷えにくい体質へと近づくことができます。

まずは、日常の姿勢をチェックすることから始めてみてくださいね。