デスクワークやスマートフォンの長時間使用が当たり前になった現代、多くの方が「巻き肩」の状態に気づかず生活しています。
今回は、巻き肩が引き起こす肩こりや頭痛の原因と、そのメカニズムについて解説します。
巻き肩とは?
巻き肩とは、肩が内側に巻き込まれたような状態を指します。姿勢で言うと、猫背の一歩手前、あるいは猫背とセットで見られることが多く、「胸が縮こまり、肩が前に出る」「腕が常に身体より前にある」といった状態が典型的です。
この姿勢は、以下のような生活習慣によって起こりやすくなります:
- 長時間のパソコン作業
- スマホ操作の多用
- 運動不足
- 筋力のアンバランス(胸筋群の優位・背筋群の弱化)
巻き肩に関係する筋肉
主に硬くなっている(原因となる)筋肉
- 大胸筋(胸の表面にある大きな筋肉)
- 小胸筋(肋骨から肩甲骨へつく深層の筋肉)
- 広背筋(背中の大きな筋肉)
負担がかかっている筋肉
後頭下筋群(後頭部の細かい筋肉群)
僧帽筋上部・中部(肩や首を支える筋肉)
肩甲挙筋(肩甲骨と首をつなぐ筋肉)
菱形筋(肩甲骨を内側へ引き寄せる筋肉)
巻き肩が引き起こす肩こりの仕組み
巻き肩になると、肩関節周辺の筋肉バランスが崩れ、上記に記述した「負担がかかっている筋肉」に過度な負担がかかります。
上記の筋肉が持続的に緊張することで、血行不良が起こり、老廃物がたまりやすくなります。その結果、肩の重だるさや痛み、いわゆる「肩こり」が起こります。
巻き肩と頭痛の関係
肩こりだけでなく、巻き肩は緊張型頭痛の原因にもなります。
頭は通常、背骨の上にバランスよく乗っていますが、巻き肩になると頭が前方に突き出た「頭部前方変位」という状態になりやすくなります。
これにより、後頭部から首の付け根にかけての筋肉(特に後頭下筋群)が過剰に緊張し、次のような影響が出ます:
- 筋肉のこわばりが神経を圧迫し、頭痛が起こる
- 後頭部からこめかみ・目の奥への痛み
- 頭全体を締め付けるような重苦しい痛み
このような頭痛は、鎮痛剤で一時的に和らぐこともありますが、根本的な姿勢改善をしなければ繰り返しやすいのが特徴です。
巻き肩セルフチェック法
簡単にできるセルフチェック方法をご紹介します。
① 壁を使ったチェック法
- 壁に背中をぴったりつけて立つ
- かかと・お尻・肩甲骨・後頭部が自然につくか確認
- この時、手の甲が太ももの横にこない場合や、肩が壁につかない場合は巻き肩の可能性大!
② 仰向け寝チェック
仰向けに寝たとき、手の甲が自然に床につかず浮いていると、巻き肩の傾向があります。
まとめ
巻き肩は、見た目の姿勢だけでなく、肩こりや頭痛といった不調にも深く関係しています。気づかないうちに悪化する前に、まずはセルフチェックからはじめてみましょう!
当院では、巻き肩や姿勢の崩れによる不調に対して、原因にアプローチする施術とセルフケアの指導を行っています。気になる方はお気軽にご相談ください!
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